Frequently Asked Questions

御意見板の質問と回答を一般化して分野別に纏めました.今後,御意見箱にお寄せ戴いた質問についても,ここで回答することと致します.データベース管理用に作成したモジュールを流用したので,目次機能もない素気ない代物ですが御勘弁ください
使用方法

■ PMD FAQ 
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医療 紹介状   専門病院受診に紹介状が必要という記載がありました 紹介状がなくても受診は可能ですが,かかりつけの先生に書いて戴くのが望ましいです
医師は診察した所見や検査所見について,全てを患者さんに説明する訳ではありません.説明する時間が限られることに加へて,患者さんから医学的判断を任される以上は憶測を含めずに確実なことだけを述べる必要がありますし,患者さんの心理的な状況を勘案して説明を控へることもあります.
医師から医師にあてる紹介状には,皆さんが想像される以上に重要な情報が含まれますので,是非「診療情報提供書」と呼ばれる紹介状を貰ふ様にしてください.
 
医療 麻酔   筋疾患では麻酔に注意しなければならないと聞きました 筋ジスでの麻酔の合併症としては,悪性高熱,心臓や呼吸のトラブルが挙げられますが,多くは全身麻酔によるものです.
全身麻酔の際には心臓や肺の機能を術前に評価しますし,筋ジスで悪性高熱が起こりやすいことは教科書にも記載されてますので,ハロセンやサクシンなど悪性高熱を来たしやすい薬剤は避けて,より安全なプロポフォールなどを選択されるものと思ひます.念のため「筋ジスでは悪性高熱や不整脈,呼吸不全に注意する様に指導された」と担当医に話されればよいでせう.
歯科治療は局所麻酔です.麻酔薬に含まれるエピネフリンの副作用としては不整脈がありますが,血圧を上げるために点滴で全身投与した場合とは異なり,歯ぐきに注射した少量の局所麻酔剤が心臓に影響を及ぼす可能性は少ないと思ひます.
 
治療 DHEA-S   筋強直性ジストロフィーに効果がありますか 大阪医科大学第一内科の大澤仲昭教授(現名誉教授)のグループが筋強直性ジストロフィーでこの性ホルモンの量が少ないことに注目し、11名の患者様に補充療法を試みたところ筋力、ミオトニア、ADLが改善したということで,Neurologyという雑誌に報告されました。当時大澤先生はこの薬剤による治験を計画中であると言っておられましたが、その後どのようになったかについては把握しておりません。少なくともこの薬剤は現時点で市販されておらず処方することはできません。治療薬として国から承認されていない化学物質であり、倫理委員会の承認を経て専門医の管理下で万全の体制のもとで治療研究として使用すべきものです。
(そのようなことはないと思いますが)サプリメントとして何らかの方法で入手可能であっても、自己判断で服用することは絶対におすすめできません。この治療法の研究の現在の状況についてはこれ以上わかりませんので、大阪医科大学第一内科に直接コンタクトするしかありません。大阪医科大学第一内科の下記ページに情報があります。大澤先生は退職しておられます。
http://www.osaka-med.ac.jp/deps/in1/neu/kenkyuunaiyou-a.html
 
治療 クレアチン   クレアチンの服用について注意することはありますか 筋疾患の多くは、未だ根本治療が明らかでないものが多く、進行を阻止することが出来ないのが現状です。
私共は、基礎的研究者とも協力し一日でも早く根本的治療をお届けするよう努力すると同時に、現在利用可能な知識・技術を駆使し目前の患者様に有用な対処を行いたいと考えています。
クレアチンもこの様な試みの一つとお考え下さい。一般的な注意事項はホームページに挙げているとおりですが、経験上次の様な事項に留意された方がよいと思います。
1.服用量:副作用はクレアチンを大量に服用する導入期に多く見られました。スポーツ選手と違って患者様の場合、クレアチンを取り込む場所(筋肉)が減っているので、大量のクレアチンを飲んでもむしろ副作用の頻度を上げるだけになるかもしれません。私共が研究の際に使用したのは、スポーツ選手と同じく導入期20g/日、維持期5g/日でしたが、患者様の場合導入期5-10g/日、維持期3-5g/日程度でも十分かもしれません。
2.服用時間:クレアチンは糖と一緒に細胞内に吸収されるようです。このため、クレアチンを服用するのは食後が望ましいと思われます。私共は、肥満を恐れてクレアチン開始前に低脂肪・低炭水化物・高蛋白の食事を指導しましたが、体重に留意した上で炭水化物は制限しない方がよいのではと考えています。フルーツジュースなどで服用するのも良いと思います。

担当幹事からの追加のコメントです。
1.服用回数について:クレアチンの服用は、副作用を抑える意味から導入期には分割して行っています。20g/日の時は食後と眠前の4回に分けていました。10g/日であれば朝夕の2回でも良いと思いますし、3-4回に分けても良いと思います。維持期は服用量も多くないので1回で構わないと思います。
2.飲水量について:クレアチンの服用時には、十分な水分(200ml以上)を摂って頂くよう指導しています。何を飲むかは各人の自由ですが、総量としてその程度を目処に摂って頂ければ良いかと思います。
3.他のサプリメントや健康食品との関連について:クレアチンの作用自体が不明な部分が多く、他の栄養・薬物との相互作用についてきちんとしたお答えできる段階ではありません。クレアチンは肉や魚に多く含まれているものですから、これらと同時に摂取することに問題があるものは避けて下さい。

いずれにしても、まだ手探りの段階であり、担当の医師と十分相談の上で用いて頂くようお願いします。特に長期間服用した場合の、心臓や呼吸、肝・腎機能などの影響についてはまだ報告が無く、定期的な診察・検査を受けながら用いて下さい。新たな知見がでれば、ホームページ上でも報告させて頂きたいと思います。
 
治療 クレアチン   どのように入手すればいいですか クレアチンは医薬品でなく、サプリメントとして売られています。普通健康人が摂取するものと思いますが、基本的には誰でも購入可能であるので、いろいろな情報をみて筋ジストロフィーの患者さまが購入して自己判断で摂取する可能性もあり、健康被害が出る可能性もあります。当研究班はクレアチン摂取を推奨しているわけではありませんが、患者様に使って副作用と効果をみたことのある医師の経験をホームページに公表することにより、健康被害がでることを少しでも防ぎたいと考えています。もし摂取する場合は、このホームページに掲載されている使用経験を主治医にお見せになった上で、主治医と相談した上で自己責任で摂取してください。使用経験は、2002年度の班会議の抄録に掲載されています。
インターネットでも購入できるようですが、どの会社のものがよいのかについては確実な知見はありません。
クレアチン内服に関して一番詳しいのは、この研究班で経験を報告した病院です。この点以外の一般的なことについて筋ジストロフィーの医療に豊富な経験を持っているのはこの班会議の班員である国立療養所等の先生方です。お近くの病院にご連絡の上、必要があれば受診してください。
 
治療 マイオスタチン   臨床試験によりマイオスタチンが海外で承認され,日本で未承認の場合,使う方法は マイオスタチンは体の中に存在する物質で,これを抑制する抗体を注射によって投与する臨床試験です。
アメリカで承認され、日本で未承認であれば、アメリカの病院を受診することによって注射を受けることができると思います。日本に個人輸入できるかどうかは、処方の条件などのこともあり、今の段階では何ともいえません。
日本の健康保険はアメリカでは使えません。未承認であれば、個人輸入できたとしても、当然日本でも健康保険は使えません。相当高価な医薬品になることが予想されます。医療費の問題についても考える必要があるでしょう。
 
治療 マイオスタチン   ボディビルダーが服用するサプリメントに,マイオスタチンの作用を中和させる商品がありました マイオスタチンの抑制は有望は治療法であると考えております。
マイオスタチンの作用を抑制するとうたったサプリメントがインターネットを通じて販売されている事実は確認しております。
しかし、この物質の筋力増強効果について学術的な論文を検索してみましたが、該当するものが得られませんでした。
私はその効果を否定するものではありませんが、すくなくとも有効性に関する科学的な証拠はないと理解してください。
筋ジストロフィーではなおのことと思います。
また、筋ジストロフィーの方に使った場合の安全性は全く保障されておりません。
このマイオスタチン関係でも、真剣に筋ジストロフィーの治療法を開発をしようという努力がなされております。もし、患者さまの治療を行う研究(治験)が開始されれば、わたしどもの班会議でも何らかの方法で皆様にお知らせするつもりです。
 
治療 マイオスタチン   マウスや犬を利用した治験は行われていますか マイオスタチンは筋肉モリモリのウシに遺伝子の変異が発見されたことで有名になりました。デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデルであるmdxマウスに対して抗体によってマイオスタチンをブロックすると、筋の機能が改善し筋も大きくなったということがネイチャーという雑誌に報告され、有望な筋ジスの治療法として注目されるようになりました
http://www.nature.com/nature/links/021128/021128-2.html
 
治療 β遮断薬   デュシェンヌ型の心不全に対する治療について β遮断薬による治療は十分根拠のある治療法です。しかし副作用がないわけではありません。特にすでに心臓の機能が悪い場合は注意が必要で、どの程度なら安全なのかは完全には明らかになっていません。また心臓の機能が良好な場合は、筋ジストロフィーの場合、心機能の悪化を防ぐ働きがあるかどうか十分に解明されているわけではありません。経験のある先生によく説明していただきながらお使いになることをお勧めします。心臓の機能は脈拍だけでなく、血液検査あるいは心臓超音波検査の結果も合わせて判断することが大切です。  
治療 移植   デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者さんに人工心臓・人工肺を移植した場合、正常に機能し続けますか 原因が不明の拡張型心筋症などの患者さまを対象に,補助人工心臓や心臓移植が行われることがあり,その治療成績も徐々に蓄積されてきています.デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さまの心筋障害でも,拡張型心筋症に似た心機能の異常を認めることが多いようですが,その病態は明らかにされていません.内科的治療を十分に行っても心機能が回復しないデュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さまに対して,人工心臓のような外科治療が可能か現在検討中です.人工心臓の大きさや植込む場所の問題,拍出量と血管抵抗の関係,病気の進行と人工心臓の相互関係など解決すべき点が多くあります.今後の発展に期待したいと思います.なお,人工肺につきましては当班での検討は行っていません.  
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